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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科43巻4号

2015年04月発行

文献概要

テクニカル・ノート

シャントパッサー回転防止器具の試作

著者: 益子敏弘1 安納崇之2 新井文博1 渡辺英寿1

所属機関: 1自治医科大学脳神経外科 2とちぎメディカルセンター下都賀総合病院脳神経外科

ページ範囲:P.317 - P.322

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Ⅰ.はじめに
 水頭症に対する脳室腹腔(VP)あるいは腰椎腹腔(LP)シャント手術はほぼ確立された術式であり,皮下にシャントチューブを通す手技および器械に関する報告は少ない1,2).われわれが使用しているシャントパッサーは,円筒状のsheathに,ハンドルの付いた円形断面のstyletを組み合わせたものである.Sheathを体表の形状に合わせて湾曲させ,ハンドルを押して皮下を進める.このパッサーはsheathとハンドルが固定されておらず,その先のstyletは柔軟に曲がるため,意図した向きと異なる方向に回転しがちである(Fig.1A-D).この問題を解決するためには,Fig.1Eのように,sheathとハンドルの基部の形状を改良して回転を防止する方法が考えられる.しかしそのためには,メーカーでの設計や工程の変更が必要になり,応分の労力と資金を要すると思われる.そこで,既存のパッサーに加工を加えることなくこの問題を解決する器具を考案した.14例のシャント手術に使用し,有効であったので報告する.

参考文献

1) Oi S, Matsumoto S:A shape-corrective shunt-passer using a titanium-nickel alloy. Neurosurgery 28:725-726, 1991
2) Oppenlander ME, Rekate HL:Use of adipose tissue to ease compatibility of a stylet with its sheath during ventriculoperitoneal shunt placement:technical note. Neurosurgery 66(6 Suppl Operative):333, 2010
3) 白根礼造,林俊哲,三宅裕治,冨永悌二:髄液シャントシステムの温故知新.脳外誌19:510-517, 2010
4) Walker AE(小和田正悦訳):脳神経外科の歴史.西村書店,新潟,1983, pp245

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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