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テクニカル・ノート
シャントパッサー回転防止器具の試作
著者: 益子敏弘1 安納崇之2 新井文博1 渡辺英寿1
所属機関: 1自治医科大学脳神経外科 2とちぎメディカルセンター下都賀総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.317 - P.322
文献購入ページに移動水頭症に対する脳室腹腔(VP)あるいは腰椎腹腔(LP)シャント手術はほぼ確立された術式であり,皮下にシャントチューブを通す手技および器械に関する報告は少ない1,2).われわれが使用しているシャントパッサーは,円筒状のsheathに,ハンドルの付いた円形断面のstyletを組み合わせたものである.Sheathを体表の形状に合わせて湾曲させ,ハンドルを押して皮下を進める.このパッサーはsheathとハンドルが固定されておらず,その先のstyletは柔軟に曲がるため,意図した向きと異なる方向に回転しがちである(Fig.1A-D).この問題を解決するためには,Fig.1Eのように,sheathとハンドルの基部の形状を改良して回転を防止する方法が考えられる.しかしそのためには,メーカーでの設計や工程の変更が必要になり,応分の労力と資金を要すると思われる.そこで,既存のパッサーに加工を加えることなくこの問題を解決する器具を考案した.14例のシャント手術に使用し,有効であったので報告する.
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