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症例
緩徐進行性に発症し,癌性髄膜炎との鑑別を要したアテローム血栓塞栓性梗塞の1例
著者: 梅垣翔1 齋藤竜太1 赤松洋祐1 坂田洋之1 佐藤健一1 藤村幹1 園田順彦1 冨永悌二1
所属機関: 1東北大学病院脳神経外科
ページ範囲:P.339 - P.343
文献購入ページに移動特に癌の既往を有する症例において,多発性で散在性の亜急性期脳梗塞は癌性髄膜炎としばしば鑑別が困難なことがある.その理由の1つとして,造影magnetic resonance imaging(MRI)ではともに高信号を示し,急性期の脳梗塞で有用な拡散強調画像(diffusion-weighted image:DWI)でも亜急性期に入るとびまん性に広がる高信号域として描出され,癌性髄膜炎と類似した所見が認められるからである.また,画像上判断できないような虚血状態を代謝率から調べるmagnetic resonance spectroscopy(MRS)も病変が微小な場合は適用が困難である4).今回,肺癌の脳転移に対する術後の長期経過観察中に緩徐進行性の麻痺が出現し,脳梗塞と癌性髄膜炎の鑑別が問題となった1例を経験したので報告する.
参考文献
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