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連載 教訓的症例に学ぶシリーズ
Direct vascular injuryなく経蝶形骨洞手術後にくも膜下出血を来した2例
著者: 山内貴寛1 北井隆平1 菊田健一郎1
所属機関: 1福井大学医学部脳脊髄神経外科
ページ範囲:P.551 - P.555
文献購入ページに移動1.症例1
55歳,女性.顔面神経麻痺の精査のために施行されたMRIでトルコ鞍から鞍上部に進展する腫瘍を認めた.視野検査では両耳側半盲があり,内分泌検査では成長ホルモンが障害されていた.MRIではT1強調画像で等信号,T2強調画像で高信号.ガドリニウムで均一に造影される径45mmの腫瘍を認めた(Fig.1A,B).腫瘍は視交叉,左海綿静脈洞に浸潤し,後方は中脳脚間窩にはまり込むように存在していた.脳血管撮影で明らかな異常は認めなかった.非機能性下垂体腺腫の診断のもと,二期的手術を計画した.
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