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雑誌目次

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科43巻8号

2015年08月発行

雑誌目次

センスの育成を目指して

著者: 前原健寿

ページ範囲:P.679 - P.680

 1993年にプロ化された日本のサッカーは,5年後の1998年にフランスワールドカップに初出場を果たし,その後5大会連続でワールドカップ出場を続けている.さらに頂点を目指した挑戦を続けているが,2014年ブラジルワールドカップでは2敗1分けの予選リーグ敗退となり,さらに今年のアジアカップでもベスト8敗退の憂き目にあった.敗戦のたびに議論されることは,世界に通用する強いチームになるためには,個人の力を国際レベルに向上させなければならないということである.
 チーム力をアップさせるためには個の力の向上が必要だという議論は,実は手術という技術を治療手段としている脳神経外科医にも当てはまるのではないかと思う.もちろん個人の技量向上は一朝一夕に図れるものではなく,生涯にわたる数々の経験をもとに積み上げられていくものである.しかし,特に若手の脳神経外科医は,自分の技量を速やかにアップさせる方法を模索しながら日夜手術に取り組んでいると言っても過言ではないだろう.また「自分で考えろ」という時代とは異なり,優秀な脳神経外科医を育成するために「どう考えるのか」を伝えることは指導医に要求される課題である.

総説

脳性麻痺に対するバクロフェン髄腔内投与療法

著者: 貴島晴彦

ページ範囲:P.681 - P.690

Ⅰ.はじめに
 バクロフェン髄腔内投与(intrathecal baclofen:ITB)療法が本邦で保険適用となってから約9年が経過し,その効果については広く知られるところとなっている.ITB療法は,GABA-B受容体のアゴニストであるバクロフェンを体内植え込み型のポンプを用いて持続的に髄腔内に投与する治療法である.痙性を伴う麻痺や緊張性の運動異常症に対して,その症状を緩和させることにより,運動機能やADLの改善を得ることができる.バクロフェンは経口投与では眠気などの副作用により十分な薬理効果を示さないことが多いが,髄腔内に投与することで,経口の100分の1程度の投与量でも劇的な痙性の改善を得ることができる.本邦でも1,000例以上の患者に対してITB療法が施行されており,これらの疾患に対する治療法として重要な位置を確立している.その中でも脳性麻痺は脊髄損傷後の痙縮や痙性対麻痺とならんで数多いITB療法の適応疾患である.本稿では脳性麻痺に対するITB療法の概略,手術,効果,合併症,維持方法などについて最近の知見を交えて詳説する.

グリオーマ血管新生,浸潤に対する分子標的薬

著者: 黒住和彦 ,   伊達勲

ページ範囲:P.691 - P.701

Ⅰ.はじめに
 グリオーマは原発性脳腫瘍の約30%を占めるが,診断と治療の医療技術が進歩しているにもかかわらず,未だ十分な治療成績が得られていない40).近年,アルキル化剤であるtemozolomide(TMZ)により,全生存期間の延長効果が認められているが,手術,放射線療法,化学療法を併用しても極めて予後不良の腫瘍である.その理由としては,グリオーマの早期増大,進展,治療抵抗性獲得,腫瘍血管新生や腫瘍浸潤が関与している.
 最近ではさまざまな分子標的薬が開発されている.その代表格である抗血管新生薬のうち,抗vascular endothelial growth factor(VEGF)モノクローナル抗体のbevacizumabは無再発生存期間の延長効果が認められてはいるが15,16,60),全生存期間の延長効果は得られておらず,グリオーマに対する効果的な分子標的薬は開発途上であるともいえる.本稿では,グリオーマの血管新生,腫瘍浸潤に関する標的分子,新規分子標的薬と臨床試験について概説する.

書評

—戸山 芳昭,花北 順哉●編集—脊椎脊髄の手術 第Ⅱ巻

著者: 高安正和

ページ範囲:P.702 - P.702

●わかりやすいイラストを基に各種手術手技を簡潔にまとめた本格的手術アトラス
 本書は脊椎脊髄の分野では最も広く購読されている『脊椎脊髄ジャーナル』に連載されてきた「イラストレイテッド・サージェリー」をまとめた手術書の第2弾である.1988年に創刊された『脊椎脊髄ジャーナル』に「イラストレイテッド・サージェリー」の企画が初めて掲載されたのは1996年4月号であった.第1回目では「中・下位頚椎部—前方進入法—」について平林洌先生により,豊富なイラストを交えてわかりやすく記述されている.その後も連載が続き,2002年7月に本連載が初めて集大成され,『脊椎脊髄の手術』(第Ⅰ巻)が発刊された.ここでは脊椎脊髄外科を専門とする医師が修得すべき手術手技が基本的なものから難易度の高いものまで精選され,さらに当時急速に広まっていた脊椎インストゥルメンテーションも掲載され,脊椎脊髄外科医にとって座右の書となった.第Ⅰ巻の刊行から早くも約13年が経過し,この間,手術法の変遷も著しく,新しい手術手技が次々に登場してきた.このたび,これらの手術手技を再びまとめ,『脊椎脊髄の手術 第Ⅱ巻』として刊行されることとなった.著者は現在のわが国を代表する“脊椎脊髄外科の達人”と呼ばれる整形外科医および脳神経外科医ばかりである.Ⅰ巻と比べてページ数が大幅に増え,充実した内容となっている.
 私の脳神経外科の恩師である故・杉田虔一郎先生は,ご自身ですべての絵を描かれた『Microneurosurgical Atlas』(Springer-Verlag)という素晴らしい手術書を出版されている.こういった手術のイラストは実に多くの情報を外科医にもたらしてくれる.写真では手術の一瞬を2次元の画像として表すことしかできないが,優れた手術のイラストには3次元の内容のみならず,時間経過を含めた4次元の概念を盛り込むことも可能である.また,誇張と省略が加わることにより,術者の考え方をより正確に伝えることができる.最近の手術記録では,電子カルテが普及したこともあり,イラストが描かれることが少なくなり,文章のみの記載か,せいぜい写真の貼り付けで済まされることが多くなってしまったのは,大変に残念である.私自身の手術記録には,イラストのもつこういった利点から,今でも必ず手術の要点が一目でわかる自筆の絵を添付している.これは後で見返す際にも大変に便利であり,手術記録を読まなくても絵を見るだけで,その手術のポイントを頭に思い浮かべることができる.ちなみに,本書のイラストはすべて著者の描いた原画を元にイラストレーターが手を加えたものだが,著者の手術手技に対する考えがうまく反映されており,イラストを見るだけで手術のポイントが伝わってくる.

研究

青森県における遷延性意識障害患者の実数調査

著者: 嶋村則人 ,   棟方聡 ,   奈良岡征都 ,   小笠原ゆかり ,   小山香名江 ,   大熊洋揮

ページ範囲:P.705 - P.708

Ⅰ.はじめに
 日本脳神経外科学会による遷延性意識障害の定義は,①自立移動が不可能である,②自力摂食が不可能である,③屎尿失禁状態にある,④声を出しても意味のある発言がまったく不可能である,⑤目を開け,手を握れという簡単な命令にはかろうじて応ずることもあるが,それ以上の意思の疎通が不可能である,⑥眼球はかろうじて物を追うこともあるが認識できない,以上の6項目を満たすような状態が,種々の治療にかかわらず,ほとんど改善がみられないまま満3カ月以上経過したものとされている8,9)
 遷延性意識障害患者の疫学的検討に関する本邦の報告は極めて少ないが,2010年に藤原らにより宮城県における遷延性意識障害患者の実数調査が行われた2).この調査結果から,日本全体では55,000人以上の遷延性意識障害患者がいると推計された.また,従来は遷延性意識障害の原因として頭部外傷が最も多いと考えられてきたが,脳卒中の割合が増加してきていることも明らかにされた2,6).その後の2011年の東日本大震災では,遷延性意識障害患者や要介護状態の患者の移動およびケアの問題が注目された.
 都道府県単位での遷延性意識障害患者の実数調査は,その本邦での全体像を把握する上で必要不可欠であり,加えて脳卒中多発県である青森県での調査は非常に有益であると考え,青森県における遷延性意識障害患者の実数調査を行ったので報告する.

テクニカル・ノート

外側後頭下アプローチにおける硬膜一次閉鎖の工夫—フィブリン糊コーティングによる硬膜の保湿

著者: 清水曉 ,   望月崇弘 ,   大澤成之 ,   関口朋子 ,   隈部俊宏

ページ範囲:P.709 - P.712

Ⅰ.はじめに
 外側後頭下アプローチでは,閉頭時にしばしば硬膜面積が不足し一次閉鎖が困難となるため,自家組織や人工硬膜による補塡を要する.これは同部の硬膜が薄く,空気への曝露や顕微鏡の照明により乾燥・収縮しやすいためであり,綿片による被覆や頻回の洗浄を行っても回避は困難である.
 この硬膜の乾燥・収縮を防ぎ,縫合による簡便な一次閉鎖を可能とする,硬膜へのフィブリン糊コーティングを考案・試行したので報告する.

症例

画像所見で増大と縮小を繰り返した末梢性破裂中大脳動脈瘤の1例

著者: 井上明宏 ,   渡邉英昭 ,   久門良明 ,   大塚祥浩 ,   田川雅彦 ,   瀬山剛 ,   武智昭彦 ,   水野洋輔 ,   北澤理子 ,   大西丘倫

ページ範囲:P.713 - P.719

Ⅰ.はじめに
 末梢性の中大脳動脈瘤は比較的稀な病態であり,その自然歴や発生原因は多岐にわたるため,治療方針に関しても未だ定まったものはない1,5,6,10,11).今回われわれは,くも膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)にて発症し,3カ月の経過観察中に画像所見で増大と縮小を繰り返した末梢性破裂中大脳動脈瘤の1症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

外傷性内頚動脈海綿静脈洞瘻に対してハイドロゲルコイルを用いて選択的経動脈的塞栓術で治療した1例

著者: 松村英明 ,   伊藤嘉朗 ,   中居康展 ,   中村和弘 ,   椎貝真成 ,   鶴田和太郎 ,   上村和也 ,   松村明

ページ範囲:P.721 - P.726

Ⅰ.はじめに
 外傷性内頚動脈海綿静脈洞瘻(traumatic carotid cavernous fistula:TCCF)の治療としては,離脱式バルーンカテーテルによる瘻孔の閉鎖が有用とされてきた8)が,現在,本邦では入手困難となっている7).そのため大量のコイルを必要としたり,複数回の治療を要する場合や,コイル塞栓のみでは完治せず,15〜20%に追加で母血管閉塞が必要となっているのが現状である13).今回われわれは,TCCFに対して血液に触れると膨潤し充塡率を高めることが期待できるハイドロゲルコイルを用いて選択的経動脈塞栓を行い,母血管を温存して少量のコイルで一期的に治療し得た症例を経験したので報告する.

眼球突出と複視を伴った帽状腱膜下血腫の1例

著者: 髙野一成 ,   鈴木謙介 ,   杉浦嘉樹 ,   鈴木亮太郎 ,   永石雅也 ,   田中喜展 ,   兵頭明夫

ページ範囲:P.727 - P.731

Ⅰ.はじめに
 帽状腱膜下血腫は軽微な外傷によっても生じ得る.本疾患は通常保存的に治療できる場合がほとんどである.しかし,稀ではあるが外科的な治療を必要としたり,ときには命にかかわる事態に発展する症例も報告される4)
 今回われわれは,血腫増大により眼球突出,複視を生じ,手術治療を要した症例を経験したので報告する.

Perimedullary AVFによるFoix-Alajouanine syndromeの1例—脊髄生検と術中ICG蛍光血管撮影所見から考察した症状の寛解・増悪機序

著者: 丸山史晃 ,   赤崎安晴 ,   渡邉充祥 ,   荒井隆雄 ,   磯島晃 ,   長島弘泰 ,   村山雄一

ページ範囲:P.733 - P.738

Ⅰ.はじめに
 Foix-Alajouanine syndrome(FAS)は,亜急性に進行する対麻痺,下肢感覚障害,膀胱直腸障害を主症状とする症候群で,1926年にFoixらにより亜急性壊死性脊髄炎として報告された6).それ以降の症例検討でFASの病態は,脊髄硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:dAVF),脊髄辺縁部動静脈瘻(perimedullary arteriovenous fistula:pAVF),脊髄内動静脈奇形(intramedullary arteriovenous malformation:iAVM)などの脊髄血管奇形(spinal vascular malformation:SVM)に伴うcongestive myelopathyであることが判明しており2,5,7-9),最終的には脊髄壊死を来すため症状は一般に不可逆的である4).しかし,FASにしばしば認められる「寛解・増悪を繰り返しながら段階的に進行していく症状」に関するメカニズムは十分な解析がなされておらず,未だ不明のままである.今回われわれは,MRI画像にてSVMが疑われたものの脊髄血管撮影検査では診断に至らず,脊髄生検と術中indocyanine green(ICG)蛍光血管撮影検査にて診断に至ったFASの1例を経験し,臨床症状,画像所見,手術所見などからFASの発症メカニズムについて検討したので報告する.

前頭洞ドレナージによりanterior interhemispheric approach術後の硬膜外および脳膿瘍を治癒した1例

著者: 坂東一彦 ,   戎谷大蔵

ページ範囲:P.739 - P.745

Ⅰ.はじめに
 両側前頭開頭術などで前頭洞が開放されると,一般的には粘膜を自然孔のほうへ焼き縮め,死腔にならないようにpericranial flapを折りたたんで充塡して閉鎖する3,4,6).また,外傷で前頭洞が損傷を受けた時は脂肪や海綿骨や骨片を敷き詰め閉鎖することも多い5,9,17).しかし時期を置いてから同部に感染や気脳症10,11)を生じることがあり,一般的には感染物を除去後,再び前頭洞を閉鎖して治癒させることが多い.
 われわれは,anterior interhemispheric approachによる前交通動脈瘤術後に感染を繰り返したため前頭洞閉鎖にて治療したが,さらに再発した皮下膿瘍や硬膜外膿瘍に対し硬膜外からの膿瘍除去と前頭洞開放ドレナージにより治癒し得た症例を経験したので報告する.

症候性囊胞形成を来しBCNU wafer除去を施行した膠芽腫の1例

著者: 中瀬健太 ,   松田良介 ,   西村文彦 ,   中村光利 ,   本山靖 ,   朴永銖 ,   中瀬裕之

ページ範囲:P.747 - P.752

Ⅰ.はじめに
 新規局所抗腫瘍薬であるBCNU wafer(商品名ギリアデル®)が,2013年1月より本邦でも悪性神経膠腫に対して使用可能となった.ニトロソウレア系アルキル化剤であるカルムスチンは,細胞内DNAをアルキル化し核酸合成を阻害することで細胞周期の停止とアポトーシスを誘導し抗腫瘍効果を発揮する2).悪性神経膠腫の腫瘍摘出腔にBCNU waferを留置することにより,生存期間の延長が報告されている14).ただ副作用として痙攣,脳浮腫,水頭症,創傷治癒不良,感染症などが報告されているが1),症候性囊胞形成に至った症例は少ない4,5,9).今回われわれは膠芽腫に対しBCNU wafer留置後,症候性囊胞形成を認め摘出術を要した1例を経験したので報告する.

横-S状静脈洞部硬膜動静脈瘻の根治的経静脈塞栓術後に発生した海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の1例

著者: 山本太樹 ,   大島共貴 ,   後藤俊作 ,   西堀正洋 ,   西澤俊久 ,   島戸真司 ,   加藤恭三

ページ範囲:P.753 - P.757

Ⅰ.はじめに
 硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:dAVF)は,海綿静脈洞(cavernous sinus:CS)部と横-S状静脈洞(transverse-sigmoid siuns:TS)部に好発し,そのほとんどは単発病変である.根治的な経静脈的塞栓術(transvenous embolization:TVE)を施行後に,時間的・空間的に多発することは非常に稀で,過去の報告も極めて少ない2,3,5,6,8).今回われわれは,左横-S状静脈洞部dAVF(TSdAVF)に対してTVEを施行し,その3年後に同側の海綿静脈洞部dAVF(CSdAVF)を発症した1例を経験した.この順序で発生したdAVFの報告は過去にみられず,dAVFの発生機序解明に関しても重要な症例と思われるので,文献的考察を加えて報告する.

報告記

The 1st Congress of Asian-Australasian Society for Pediatric Neurosurgery(AASPN)and Inaugural Meeting(AASPN2015)(2015年3月20〜22日)

著者: 亀田雅博

ページ範囲:P.759 - P.760

 AASPN 2015は,Tai-Tong Wong先生をAASPN president,Meng-Fai Kuo先生をAASPN2015 presidentとして,2015年3月20〜22日,台北のEvergreen International Convention Centerにて行われました.3月20日のwelcome receptionのあと,21,22の両日,先天奇形から脳腫瘍・血管障害まで,そして開頭手術のみならずガレン大静脈瘤や動静脈奇形などに対する血管内治療も含めて,幅広く小児神経外科領域の現状・諸問題について議論しました.
 日本からの報告は基本的には単一施設内での治療に関するものが多かったのですが,韓国からの発表は例えばgerm cell tumorに関する治療プロトコールをKorean Society Pediatric Neuro Oncology(KSPNO)主導で決めて,オール韓国で1つのプロトコールに従って治療を行った結果を報告するといったものもあり,国際的にも意義がある発表とみなされるためには,やはりオール日本での取り組みが必要ということを改めて実感しました.参加人数・登録演題数とも日本からが一番多く,日本からは千葉県立こども病院の安藤亮先生の症候性キアリ2型奇形に対する自然歴を踏まえた治療方針の再考に関する演題がBest Paper Awardに選ばれ,また奈良県立医科大学の小谷有希子先生のmedulloblastoma治療後8年で生じた放射線誘発glioblastomaの症例報告がBest Case Report Awardに選ばれ,21日のbanquetの際に受賞式がありました.おめでとうございます.

読者からの手紙

スポーツ脳振盪予防のツールの普及について

著者: 藤原一枝

ページ範囲:P.761 - P.762

 青少年のスポーツ事故予防に関心が集まり,2013年12月16日には日本脳神経外科学会から「スポーツによる脳損傷を予防するための提言」が発表され,2014年はまさに日本では脳振盪元年でした.
 国際的な専門家のグループによって開発されたSport Concussion Assessment Tool(SCAT,脳振盪評価ツール)も,2012年11月にスイスのチューリッヒで開催された第4回スポーツにおける脳振盪に関する国際会議(第1回は2001年)でSCAT3TM(SCAT3)に改定され,国際会議の結果の詳細およびこの評価ツールは,2013年3月に明文化され,普及しています2)

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欧文目次

ページ範囲:P.677 - P.677

お知らせ

ページ範囲:P.702 - P.702

略語および度量衡単位について

ページ範囲:P.767 - P.767

次号予告

ページ範囲:P.769 - P.769

編集後記

著者: 片山容一

ページ範囲:P.770 - P.770

 本号も多数のすばらしい原稿をいただいたおかげで,読み応えのあるものになった.著者の方々に深く御礼申し上げたい.前原健寿教授は,「扉」で,優秀な脳神経外科医の育成には,センスを伸ばすことが大切であるとわかりやすく述べておられる.まったく同感である.
 遷延性意識障害の実数を調査した結果には驚かされた.著者の嶋村則人先生らによると,青森県では,英国の「数十倍から数百倍」の頻度で,遷延性意識障害が発生しているという.米国と比較しても,「数倍から数十倍」の頻度のようである.もちろん,住民の高齢化や脳卒中の増加が影響していることは想像に難くない.しかし,それだけで,これほどの差異を説明することはできないだろう.

基本情報

Neurological Surgery 脳神経外科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1251

印刷版ISSN 0301-2603

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