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—日本MISt研究会●監 星野雅洋,佐藤公治,齋藤貴徳,有薗 剛,石井 賢●編—MISt手技における経皮的椎弓根スクリュー法—基礎と臨床応用 フリーアクセス
著者: 原政人1
所属機関: 1稲沢市民病院脳神経外科
ページ範囲:P.295 - P.295
文献購入ページに移動低侵襲手術の必要性が叫ばれて久しいが,時に未熟な手術操作にて取り返しのつかない事態を招いている.大きく展開し,良好なオリエンテーションを保ちながら行う手術は,安全性の面で優れ,指導もしやすい.しかし,大きく展開するための弊害として,出血量や組織への侵襲の増大があり,とりわけ高齢化の進んでいるわが国では,これらを克服することが喫緊の課題である.患者に対する低侵襲が,術者にとってのストレスにならないよう,手術手技を確立していくことは,非常に重要である.
本書の著者らは,脊椎手術において日本をリードしているメンバーであり,これまでにも本術式以外の手術も多く経験している強者ばかりである.低侵襲手術に対する熱意を持っているとともに,陥りやすい危険性を理解し,未然に大事故を防ぐ力を持ち合わせている.また,問題の多い高齢者に対する侵襲のより少ない手術手技やデバイスを開発している挑戦者でもある.彼らだからこそわかるMISt手技における経皮的椎弓根スクリュー法(PPS法)の利点および欠点を余すところなく伝えており,今考えられる弱点に対する改良や,今後の展開を見据えたデバイスのさらなる発展についても言及しており,非常に参考になる.
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