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編集後記 フリーアクセス
著者: 斉藤延人
所属機関:
ページ範囲:P.1132 - P.1132
文献購入ページに移動さて,本号の「扉」では,朝日大学の郭泰彦先生が「時間考」と題して考察されています.人の感じる時間の長さが年齢に反比例すること(ジャネーの法則)は皆さんも実感としてもっているとは思いますが,その理由が,脳に入ってくる新しい情報量が少なくなるためという考え方は,新鮮に感じました.研修医の頃,手術時間が長く感じられ,お昼になるとお腹がすいて仕方なかったのが,年をとって自分が術者になると,手術の時間の経過があっという間に感じてしまうのも,同じような理屈になるのでしょうか.折しも2017年のノーベル医学生理学賞は,体内時計の遺伝子とメカニズムを発見した,ブランダイス大学Jeffrey C. Hall博士,Michael Rosbash博士,ロックフェラー大学のMichael W. Young博士に決定しました.彼らはサーカディアンリズムを形成する分子であるperiod遺伝子やtimeless遺伝子を発見し,そのメカニズムを解明しました.時間に関しては,哲学,物理学,生理学の各方面から今後も解明が進んでいくのでしょう.
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