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脳神経外科医の心技体
著者: 永廣信治1
所属機関: 1徳島大学脳神経外科
ページ範囲:P.197 - P.198
文献購入ページに移動2004年に徳島で開催した脳神経外科コングレスの主題は,「脳神経外科医の心技体」とし,柔道家の古賀稔彦氏に文化講演を依頼した.古賀氏は心技体の中で特に心の重要性を述べ,「なぜ柔道をするのか」について考え,強い覚悟と志を持たねば試合には勝てない,試合では余分な緊張や弱気があれば自分の実力を100%発揮できないが,強い精神力と自信,無我の境地で臨むと120%以上の実力を出せる,などと述べた.心と志,精神力は,医師特に脳神経外科医として生き抜くのにも重要な要因である.手術前に戦略を練り,成功に向けた万全の準備を行う.手術前に必ず行うルーチンを決めておくのも,手術中に「平静の心」を持つのに大切だと思う.野球のイチロー氏もラグビーの五郎丸氏もそれぞれルーチンを持ち,しっかりと精神統一をしている.私も手術の朝は必ず握り飯とみそ汁を食べることや,手洗い前に精神統一をするなど,つまらないことかもしれないが,いくつかのルーチンを持っている.
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