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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科45巻9号

2017年09月発行

文献概要

報告記

The Spetzler Symposium(2017年4月20〜21日)

著者: 中川原譲二1

所属機関: 1国立循環器病研究センター循環器病統合イメージングセンター

ページ範囲:P.818 - P.819

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 2017年4月22〜26日にLos Angeles Convention Centerで開催された2017 AANS annual scientific meetingは,同会場で4月20日から2日間にわたって開催された“The Spetzler Symposium”で始まった.本symposiumは,Spetzler教授の退任を記念して企画され,米国はもとより,世界各国から大勢の脳神経外科のsuper starsが参画した.企画担当者は,2017 AANS Scientific Program CommitteeのChairであり,Spetzler教授の後継者でもあるJacques J. Morcos教授である.本symposiumのテーマには,Spetzler教授が深く関わってきた,cerebrovascular surgery, skull base surgery, complex/deep brain tumors surgery, craniovertebral junction surgeryが取りあげられた.
 Spetzler教授は,世界の脳神経外科のリーダーとして,若い頃から各国を飛び回り,現在の日本の脳神経外科の多くのリーダーたちとも深く交流し,日本の脳神経外科の発展に強く影響を与えた人物の1人である.若い世代の脳神経外科医にとっては,すでに伝説的な存在となっているかもしれないが,私たちの世代の脳神経外科医にとっては,依然としてsuper starであり,その仕事ぶりには,目を見張るものがあった.AVM手術に伴うnormal pressure perfusion breakthrough(NPPB)理論は,彼がカリフォルニア大学サンフランシスコ校(当時の主任教授はCharles B. Wilson教授)のレジデントの時代に執筆している.彼が発案したAVMのgrading scaleは実用的で,世界中で使われている.複合的な脳血管病変に対する低体温,バルビタール,心停止下での外科治療を進展させたのも彼である.また,彼は頭蓋底外科のための革新的な外科アプローチ法をいくつも開発した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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