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持続刺激顔面神経モニタリングを用いた前庭神経鞘腫の手術
著者: 赤澤愛弓1 小寺俊昭1 湶孝介2 荒井大志1 山田真輔1 東野芳史1 常俊顕三1 松田謙1 有島英孝1 北井隆平1 菊田健一郎1
所属機関: 1福井大学医学部脳脊髄神経外科 2福井大学医学部附属病院手術部
ページ範囲:P.593 - P.598
文献購入ページに移動前庭神経鞘腫は,小脳橋角部に発生する腫瘍の代表格である.小脳橋角部には脳神経が存在し,特に顔面神経は前庭神経と併走しており,腫瘍摘出時に損傷するリスクがある.術後に顔面麻痺が出現すると患者の身体的・社会的・精神的苦痛の原因となるため,術中の顔面神経の温存は重要事項の1つである.しかし術中に解剖学的には温存されていても,術後機能的には麻痺を生じることがあり,その予防のためには術中の神経モニタリングが必要である.顔面神経の随意刺激はしばしば行われているが,摘出操作中の神経機能障害をいち早く察知するためには,持続的に顔面神経をモニタリングすることが望まれる.持続刺激顔面神経モニタリングについてはいくつか報告されているが,いまだ問題点も多い3,5,6).今回われわれは,当院で独自に改良した電極を用いて持続刺激顔面神経モニタリングを行い,前庭神経鞘腫の手術において有用であったので報告する.
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