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扉
「最近の医療事故報道に思う」—その後
著者: 本郷一博1
所属機関: 1伊那中央病院
ページ範囲:P.1127 - P.1128
文献購入ページに移動 本誌「扉」に拙文を載せていただくのは2回目,誠に光栄である.初回は15年前に「最近の医療事故報道に思う」1)と題して寄稿した.信州大学の教授職に就いた翌年のこと.15年余りの教授職を全うして本年3月に定年退職し,現在,長野県伊那市にある自治体病院(394床)に院長として勤めている.
この10数年,医療界の状況は大きく変化した.大学の一教室を主宰する立場では,研究や診療はもちろんであるが,次の世代に続く人材の発掘と育成は極めて重要なことである.ところが教授に就任した直後,研修医が入らない状況が生じた.新医師臨床研修制度が2004年に始まったことにより,開始直後の2年間を含め,3年間入局者ゼロであった.当初から,連携施設を維持するための研修医の確保には苦労した.いくつかの連携施設では,常勤医師を削減せざるを得なかった.就任当初に「センター化構想」を提案し,「集約化」による脳神経外科医療・医師の質の維持,脳神経外科医の疲弊防止,業務の効率化を考えたが,集約化により吸収される側の立場もあり,「総論賛成」「各論反対」で実現できず,定員削減あるいはいわゆる「引き上げ」で対応してきたのが現状である.
この10数年,医療界の状況は大きく変化した.大学の一教室を主宰する立場では,研究や診療はもちろんであるが,次の世代に続く人材の発掘と育成は極めて重要なことである.ところが教授に就任した直後,研修医が入らない状況が生じた.新医師臨床研修制度が2004年に始まったことにより,開始直後の2年間を含め,3年間入局者ゼロであった.当初から,連携施設を維持するための研修医の確保には苦労した.いくつかの連携施設では,常勤医師を削減せざるを得なかった.就任当初に「センター化構想」を提案し,「集約化」による脳神経外科医療・医師の質の維持,脳神経外科医の疲弊防止,業務の効率化を考えたが,集約化により吸収される側の立場もあり,「総論賛成」「各論反対」で実現できず,定員削減あるいはいわゆる「引き上げ」で対応してきたのが現状である.
参考文献
1) 本郷一博:最近の医療事故報道に思う.No Shinkei Geka 32:323-324, 2004
2) 岸友紀子:「医療過誤」から「医療事故」に新聞報道はどう変化したか—データベースを用いて日本の新聞における医療事故報道の変遷を研究(医療維新).エムスリー,2010 https://www.m3.com/news/iryoishin/124044
3) 厚生労働省:大学附属病院等のガバナンスに関する検討会 とりまとめ—患者の安全を第一に—.2016
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