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医学研究とは自然との対話である—神経再生の研究を通じて
著者: 本望修1
所属機関: 1札幌医科大学医学部神経再生医療科
ページ範囲:P.127 - P.128
文献購入ページに移動 人間の脳神経は,自然という神様が創った最高に美しい機能美を有する.しかし,その裏側は,多くの無駄なことのtrial and errorの蓄積と自然淘汰が延々と繰り返された結果の集積である.当然のことながら,現在では使われていない分子や機能は,遺伝子の海の中に静かに眠っている.神経再生の過程を詳細に研究し,メカニズムを解析していく過程は,まさに自然の発する美しい声を聞くことであり,次第に脳神経組織そのものに対する概念が大きく変わってくる.
神経再生の研究をしていると,予想外の発見が次から次へと押し寄せてくる.医学部で学んだ教科書的な事項,臨床医としての経験から得られた知識や知見,当たり前のこととして信じていたことが,実は全然違っていた,という具合である.脳神経外科医が扱う疾患の病態生理学においても,これまでの定説とはかけ離れている,という経験を幾度もする.
神経再生の研究をしていると,予想外の発見が次から次へと押し寄せてくる.医学部で学んだ教科書的な事項,臨床医としての経験から得られた知識や知見,当たり前のこととして信じていたことが,実は全然違っていた,という具合である.脳神経外科医が扱う疾患の病態生理学においても,これまでの定説とはかけ離れている,という経験を幾度もする.
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