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症例
腫瘍により頚部回旋時に頚髄が慢性・間欠的に圧迫され脊髄症を呈した1例
著者: 河野大1 勝田俊郎2 左村和宏1 大川将和1 森下登史1 井上亨1
所属機関: 1福岡大学医学部脳神経外科 2済生会唐津病院脳神経外科
ページ範囲:P.795 - P.798
文献購入ページに移動頚椎の動きは他部位の脊椎よりも自由度が高いため,頚椎症をはじめとした頚部脊椎・脊髄疾患は,病変による静的なmass effectだけでなく,動的要素の影響を受けやすい特殊性がある.今回,神経線維腫症1型(neurofibromatosis type 1:NF1)患者において,C1-2の硬膜内外に発生した神経線維腫が,頚部回旋により頚髄を圧迫して脊髄症を呈した症例を経験した.腫瘍あるいは周囲の異常構造物が,頚部の回旋運動により頚髄を圧迫するという報告は現在まで3報告4症例しかなく1-3),稀ではあるが注目すべき病態と考えられ,報告する.
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