Neurological Surgery 脳神経外科47巻7号

2019年07月発行

連載 臨床研究の知識update

（6）アカデミアにおける橋渡し研究と臨床研究支援体制の整備

著者： 齊藤延人¹ 森豊隆志²

所属機関： ¹東京大学医学部附属病院脳神経外科 ²東京大学医学部附属病院臨床研究支援センター

ページ範囲：P.805 - P.813

Ⅰ．はじめに
　AROとはAcademic Research Organizationの略で，研究機関や医療機関を有する大学など（ここではアカデミアと呼ぶ）がその機能を活用して，医薬品開発を含め，臨床研究・非臨床研究を支援する組織のことである．近年，この部門の強化が精力的に行われている^2,4,5)．
　本稿では，前半で臨床研究に関する基本知識を解説し，後半でアカデミアにおける橋渡し研究（translational research）拠点や臨床研究中核拠点など，AROとしての支援体制整備を解説する．特に，何が問題となり，なぜアカデミアにおける臨床研究支援体制の整備が求められるのかについても言及する．

参考文献

1) 新井智子：日本の治験制度とその変遷．生物試料分析35：359-365, 2012

2) 福島雅典：ARO自立化への展望—研究開発エコサイクルの確立に向けて．臨床評価46：263-286, 2018

3) 小林史明：医師主導治験の発展と話題．RSMP 6：223-231, 2016

4) 齊藤延人：先端医療の開発を加速する支援拠点形成と実践．臨床評価42（Suppl XXXIII）：34-36, 2014

5) 齊藤延人：先端医療の開発を加速する支援拠点形成と実践．臨床評価43（Suppl XXXV）：43-46, 2015

6) 首相官邸 健康・医療戦略推進本部：健康・医療戦略/医療分野研究開発推進計画．　https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/senryaku/〔2019.4.16アクセス〕