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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科47巻8号

2019年08月発行

文献概要

研究

当院における鋼製器械の品質管理状況と洗浄用水の水質について

著者: 中山博文1 川口公悠樹1 加藤晶人2 森嶋啓之1 長島梧郎1 八木岡節子3 朝倉武士3 田中慎一4 田中雄一郎5

所属機関: 1川崎市立多摩病院(指定管理者 学校法人聖マリアンナ医科大学)脳神経外科 2川崎市立多摩病院(指定管理者 学校法人聖マリアンナ医科大学)救急災害医療センター 3川崎市立多摩病院(指定管理者 学校法人聖マリアンナ医科大学)手術部 4聖マリアンナ医科大学感染制御部 5聖マリアンナ医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.845 - P.850

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Ⅰ.はじめに
 医療機器保全管理の最終目的が患者の安全確保であることは論を俟たない.手術器械の不具合は施術効率を落とし,施術側にもストレスがかかり,不意の臓器損傷,破損による体腔内への落下,付着物による感染といった周術期トラブルにも影響が起こりうる.
 現在,医療機関での医療機器保守は医療法第6条(平成18年6月公布)に定められた義務であるが,明確に示された基準がないのも現状である.鋼製器械の保守は洗浄滅菌といった再生処理が中心となるが,これら管理状態についての報告は,実験研究的な報告を除いて見当たらない.
 われわれは手術用鋼製器械につき,検視下での損傷状況の調査を実施した.鋼製小物の肉眼的な破損や変形のほかにも,金属腐食に影響するであろう処理水の水質検査についても併せて行ったので報告する.

参考文献

1) 藤井哲雄:目で見てわかる金属材料の腐食対策.日刊工業新聞社,東京,2009
2) 藤井哲雄:基礎からわかる金属腐食.日刊工業新聞社,東京,2011
3) 井上博之:海水・塩水・さび—塩分があると金属はどうしてさびやすいのか? ソルト・サイエンス研究財団,2012 https://www.saltscience.or.jp/symposium/1-inoue.pdf(2018年8月access)
4) 器械の再生処理に関するワーキンググループ:器械の再生処理—器械の性能を維持する再生処理(第10版).2012 http://www.a-k-i.org/fileadmin/downloads/broschueren/rot/rb_j_10.pdf(2018年8月access)
5) 栗田工業株式会社(監修),矢部江一(編著),本村敬人,水庭哲夫(著):これでわかる純水・超純水技術.丸善出版,東京,2011
6) 松島 巖:腐食防食の実務知識.オーム社,東京,2002,p1
7) 中山 元,榊原洋平:“さび”の定量と“ひび”の予測.IHI技報51:48-54, 2011
8) 日本ミリポア株式会社ラボラトリーウォーター事業部(編著):水は実験結果を左右する! 超純水超入門—データでなっとく,水の基本と使用のルール,羊土社,東京,2005
9) 日本手術医学会:手術医療の実践ガイドライン(改訂版).手術医学35(Suppl):1-148, 2013
10) 岡崎 稔,鈴木宏明:超純水のはなし.日刊工業新聞社,東京,2002
11) プリオン病及び遅発性ウイルス感染症に関する調査研究班:プリオン病感染予防ガイドライン(2008年度版).2008 http://prion.umin.jp/guideline/cjd_2008all.pdf(2018年8月access)
12) 世利修美:金属材料の腐食と防食の基礎.成山堂書店,東京,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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