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研究
前方循環未破裂脳動脈瘤に対する低侵襲化直達手術—lateral supraorbital approachの有用性と注意点
著者: 石黒太一1 川島明次1 野村俊介1 橋本和敏1 程塚研一1 金吉秀1 桃崎宣彦1 川俣貴一2
所属機関: 1東京女子医科大学八千代医療センター脳神経外科 2東京女子医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1005 - P.1012
文献購入ページに移動近年,血管内治療の進歩により,未破裂脳動脈瘤に対する直達手術の役割はより限定的になってきている.血管内治療に対する直達手術の主な長所として,柔軟性(wide neck瘤やdomeから血管が分岐している瘤に対し,血管形成的なclippingやbypass併用が可能なこと),安全性(直視下で行えるため,術中破裂など万が一の合併症にも対処しやすいこと),根治性(再発率が低いこと)が挙げられるが,侵襲性に関しては間違いなく血管内治療に劣る.
Lateral supraorbital approach(LSOA)は開頭野にsylvian fissureおよび最小限の前頭葉しか露出せず,従来のpterional approach(PA)に比べ,小さな皮膚切開と開頭範囲で直達手術が可能な方法である(Fig.1)2).われわれは前方循環未破裂脳動脈瘤に対し,直達手術の長所を損ねずに低侵襲化することを目指し,LSOAで直達手術を行っている.この治療成績を報告し,従来のPAと比較した利点と注意点を考察する.
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