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側腹壁アプローチによる体位変換を要しない腰部くも膜下腔—腹腔短絡術腹側カテーテル留置
著者: 田中達也1 緒方敦之2 岩下英紀1 劉軒2 正島弘隆2 桃﨑宣明1 本田英一郎3 阿部竜也2
所属機関: 1伊万里有田共立病院脳神経外科 2佐賀大学医学部附属病院脳神経外科 3白石共立病院脳神経脊髄外科
ページ範囲:P.1021 - P.1027
文献購入ページに移動特発性正常圧水頭症は診療ガイドラインによる疾患概念の普及と社会の高齢化により罹病患者が増加したため,シャント術の件数は増加している.また,SINPHONI(Study of Idiopathic Normal Pressure Hydrocephalus on Neurological Improvement)-23)において,腰部くも膜下腔—腹腔短絡術(lumbo-peritoneal shunt:L-Pシャント)は脳室—腹腔短絡術(ventriculo-peritoneal shunt:V-Pシャント)と比較して非劣性が証明された.脳に穿刺を行わないL-Pシャント術を選択する施設が増加しており,全国疫学調査5)では,V-Pシャント43.2%,L-Pシャント55.1%の施行率である.
一方,L-Pシャント腹部操作時の体位は,腰椎側手術後に側臥位から仰臥位に変更する方法2),手術台の回旋を利用した体位変換を行う方法7)が報告されている.手術台の回旋を利用した方法はドレープの交換を必要とせず,術中感染の合併症もないが患者転落の危険がある.われわれの施設でも手術台の回旋を利用した体位変換を行ってきたが,2017年8月より体位変換を行わず,側腹壁アプローチにて腹側カテーテルを留置する手術法を行っている.
今回,体位変換を行わない側腹壁アプローチによるL-Pシャントについて画像的検討を行い,その手術成績について報告する.
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