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著者: 冨永悌二
所属機関:
ページ範囲:P.198 - P.198
文献購入ページに移動「脳神経外科をとりまく医療・社会環境」では川原一郎先生らが,離島医療の経験からナースプラクティショナーの意義について現状と展望を述べている.昨今,働き方改革が喫緊の課題となっており,タスクシフティングのため特定看護師の育成が推奨され,多くの大学病院でも育成が開始されつつある.ただ,まだ数が少ない特定看護師の所属やガバナンスは施設によって異なり,今後,特定看護師数の増加に伴い,その立ち位置やキャリアパスが確立されていくと思われる.私事になるが,先日,スマートホスピタルとして高名なフィンランドのオウル大学病院を視察した.オウル大学病院はフィンランド北部の地域医療も担っている.ラップランドなどの医師少数地域での医療を訪ねたところ,当然のことのように,オンラインの遠隔医療によりナースプラクティショナーが医師の指示に従って医療を行っているとのことであった.全国民の医療情報は,一括して参照・利用できるプラットフォームが構築されている.このような合理的な医療システムが,わが国ではさまざまな理由により構築されない状況が誠に残念である.
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