文献詳細
文献概要
--------------------
編集後記 フリーアクセス
著者: 村山雄一
所属機関:
ページ範囲:P.380 - P.380
文献購入ページに移動日米で医療に従事してきた経験から,最近は米国の医療システムの問題点が目立つようになったと感じている.米国の問題はあまりにも高い医療コストであり,医療へのアクセスが悪いことはよく知られているが,実際の肌感覚として,脳神経外科領域においても,全般的な医療の技術レベルの低下,収益第一主義による治療適応の妥当性の検討が疎かであり,教育面でも弊害が目立つ.一方,日本人はパニックにも陥らず,感染防止のための衛生管理が比較的徹底されており,死亡率も今のところ抑えられているようである.最新のICTを利用した遠隔診療も,2月号の編集後記で冨永悌二教授がその広がりの遅さを懸念されていたが,この危機的状況で政府も本腰を入れて積極利用を検討している.このような危機的状況でこそ日本人の冷静さ・勤勉さをもって問題解決の糸口を見出していくべきであり,われわれ脳神経外科医も専門性を超え医療問題解決に取り組んでいけたらと思う.
掲載誌情報