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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科48巻5号

2020年05月発行

文献概要

クリッピングでドキドキしないことが持続可能な脳神経外科に寄与するか?

著者: 小松洋治12

所属機関: 1筑波大学附属病院日立社会連携教育研究センター 2日立総合病院

ページ範囲:P.383 - P.384

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 もうすぐオリンピックのはずだった.56年前の東京オリンピックのときは私は幼稚園児で,白黒テレビで観戦した記憶がある.当時の日本は,人口・経済ともに右肩上がりで,高度成長のただなかにあって,GNP(国民総生産)2位への坂を登っていた.高齢代率は6.3%で,高齢社会での医療や福祉制度について,先行していた欧州の事情をうかがっていた.高齢化に対する危機感は希薄であったように思う.健康保険や年金などの基盤が整ったのは,オリンピックの数年前であった.当時の人口構成と右肩上がりの経済が持続するという,今にして思えば,根拠のない楽観的な未来像に多くを頼った制度設計であったと言えよう.
 私の勤務する筑波大学附属病院日立社会連携教育研究センターは,日立総合病院内に開設されている.茨城県北部の日立市にあり,属する日立医療圏は人口約26万人,高齢代率は2020年には33.5%と推計され1),日本の15年先を体験している.わが国は世界1位の超々高齢社会で,医療・介護・福祉制度を開拓する役割を担っている.欧米や中国をはじめ,諸外国がわが国の施策とその結果を注視している.

参考文献

1) 日本医師会:地域医療情報システム(JMAP)
2) 厚生労働省:平成27年版厚生労働白書—人口減少社会を考える—,2015
3) 本川達雄:ゾウの時間 ネズミの時間—サイズの生物学—.中央公論新社,1992
4) Fujiura Y, et al:Heart rate and mortality in a Japanese general population:an 18-year follow-up study. J Clin Epidemiol 54:495-500

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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