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特集 脳動脈瘤—Q & Aで学ぶ開頭術,血管内治療のコツと使い分け Ⅱ脳動脈瘤に対する外科的手術のコツ
動脈瘤周囲の剝離と安全確実なクリップのかけ方は?
著者: 水谷徹1
所属機関: 1昭和大学脳神経外科
ページ範囲:P.52 - P.71
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・安全確実なマイクロサージャリー,クリッピングを行うためには,安定したハサミ操作のもとに無血の術野を目指すことが大切である.
・ふるえのない安定した操作を行うために,体位どり,セッティング,術者の姿勢,ポジションや手を置く位置とそれに基づいたハサミや道具の動きがすべて連動していることを認識する.
・クリッピングはクリップ鉗子と吸引管を両手で連動させ,最後まで先端が視認できるような操作(blading technique)を目指す.
・クリッピングの際は癒着血管の剝離が必要かどうかを判断し,剝離を必要としない安全なデザインをまず考えて,どうしても必要な場合にのみ剝離する.
・安全確実なマイクロサージャリー,クリッピングを行うためには,安定したハサミ操作のもとに無血の術野を目指すことが大切である.
・ふるえのない安定した操作を行うために,体位どり,セッティング,術者の姿勢,ポジションや手を置く位置とそれに基づいたハサミや道具の動きがすべて連動していることを認識する.
・クリッピングはクリップ鉗子と吸引管を両手で連動させ,最後まで先端が視認できるような操作(blading technique)を目指す.
・クリッピングの際は癒着血管の剝離が必要かどうかを判断し,剝離を必要としない安全なデザインをまず考えて,どうしても必要な場合にのみ剝離する.
参考文献
1)水谷 徹,他:未破裂脳動脈瘤における穿通枝温存のためのBlading technique.脳卒中の外科42:397-401, 2014
2)水谷 徹:無血の術野を目指す脳動脈瘤手術の基本—まずは手の安定と,ハサミ,吸引管の基本的な使い方.脳外速報24:1064-1072, 2014
3)水谷 徹:無血の術野を目指す脳動脈瘤手術の基本—両手の同時操作で最後までclip先端を見届ける:Bladingテクニックのススメ.脳外速報25:128-138, 2015
4)水谷 徹,杉山達也:安全確実なclip操作を意識した未破裂脳動脈瘤手術—Blading techniqueのススメ.脳外誌24:822-832, 2015
5)水谷 徹:脳動脈瘤手術のセットアップと手術器械の特性を理解した使い方.冨永悌二(監),井川房夫,他(編):脳卒中の外科—エキスパートを目指す侍たちへ.メジカルビュー社,東京,2020
6)新井晋太郎,他:実際の手術器具を用いた練習モデルの作成と脳血管外科手術トレーニング—セッティングからマイクロ技術まで.脳卒中の外科46:469-472, 2018
7)Mizutani T:Scaled clips for aneurysm surgery:technical note. Neurosurgery 46:1253-1254, 2000
8)Ishikawa T, et al:Concept of ideal closure line for clipping of middle cerebral artery aneurysms--technical note. Neurol Med Chir(Tokyo)49:273-278, 2009
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