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症例
脳室腹腔吻合管を経由した悪性脳腫瘍の神経管外転移—2剖検例の報告および文献的考察
著者: 柴崎尚1 武田文和13 川淵純一1 鈴木豊2 柳沢昭吾4
所属機関: 1群馬大学脳神経外科 2群馬大学第1病理 3埼玉県立がんセンター脳神経外科 4佐久総合病院外科
ページ範囲:P.71 - P.79
文献購入ページに移動Ventriculocardiac shunt(Nulsen and Spitz 1952),Ventriculopleural shunt(Ransohoff 1954),Ventriculoperitoneal shunt (Scott et al.1955)などのmechanical tubeを用いた髄液内誘導術21)が交通性,非交通性水頭症に対して頻繁に行われ大きな成果をあげ,なかでも髄液路の閉塞をきたした頭蓋内腫瘍の治療においてshunt operationによる頭蓋内圧のコントロールが,きわめて有効な手段として用いられている.
しかし,近年shunt tubeを経由した脳腫瘍の神経管外転移例の報告が稀ながら見られるようになり,脳腫瘍治療.上の新しい問題を提起している.われわれは第4脳室腫瘍,松果体部腫瘍がそれぞれ脳室腹腔管を経由して神経管外転移を生じた2例を報告し,あわせて文献上の症例につき考察を加えた.
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