文献詳細
文献概要
総説
軸索流と視床
著者: 新見嘉兵衛1
所属機関: 1岡山大学第三解剖学教室
ページ範囲:P.1203 - P.1214
文献購入ページに移動 従来,中枢神経系の神経線維結合の研究方法として変性軸索鍍銀法(Nauta法とその変法)と逆行性細胞変性法が最も多く用いられてきた.しかし,これらの方法には通過線維の問題や軸索側枝の問題などがあり,所見の判定にかなりの困難な点があった.ところが最近,軸索流を利用した方法(オートラジオグラフィー法とパーオキシデース法)が開発され,上述のような問題点がある程度解決される可能性ができてきた.
オートラジオグラフィー法(AR法)は注入された放射性同位元素標識アミノ酸(3H-leucine, 3H-prolineなど)が神経細胞体に取り込まれ(神経線維からは取り込まれない),順行性軸索流によって軸索の終末まで運ばれたものをオートラジオグラフで検べるものである.軸索流の速度はおおまかにいって早い相と遅い相があり,早い相(100-400mm/day)をとった場合,すなわち生存期間を短くすると,終末部におけるラベルのみが認められるが,遅い相(1-3mm/day)をとった場合,すなわち生存期間を長くすると,終末ラベルのほか途中の経過—軸索ラベルも見られる(Fig.2,3).しかしこの場合シナプスを超えて次のNeuronに進む可能性もでてくる.
オートラジオグラフィー法(AR法)は注入された放射性同位元素標識アミノ酸(3H-leucine, 3H-prolineなど)が神経細胞体に取り込まれ(神経線維からは取り込まれない),順行性軸索流によって軸索の終末まで運ばれたものをオートラジオグラフで検べるものである.軸索流の速度はおおまかにいって早い相と遅い相があり,早い相(100-400mm/day)をとった場合,すなわち生存期間を短くすると,終末部におけるラベルのみが認められるが,遅い相(1-3mm/day)をとった場合,すなわち生存期間を長くすると,終末ラベルのほか途中の経過—軸索ラベルも見られる(Fig.2,3).しかしこの場合シナプスを超えて次のNeuronに進む可能性もでてくる.
掲載誌情報