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研究
くも膜下出血後の脳脊髄液循環動態—CTとRI cisternographyによる再検討
著者: 平塚秀雄1 岡田洽大1 吉田麗己1 菅沼康雄1 大畑正大1 小松清秀1 稲葉穰1
所属機関: 1東京医科歯科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1231 - P.1237
文献購入ページに移動くも膜下出血(SAH)後に交通性水頭症ないし正常圧水頭症(NPH)をきたし,Shunt手術(脳室心房吻合術または脳室腹腔吻合術など)により神経症状の改善をみることは周知の事実であるが9,19),これら病態の分析に従来,RI-cisternographyおよび気脳写などが最も信頼のおける検査法として重視されてきた7,16,17).
一方,1971年英国でHounsfieldにより開発されたComputed Tomography(CT)は,脳室系および脳表くも膜下腔の形態を表わすのに侵襲の少ない画期的な方法であることが認められ,水頭症,脳萎縮などの診断にも広く応用されるに至った2,3,4,5,8,14,18).われわれも,SAH後のCSF循環動態の変化,特にNPHとの関係を検討する目的で従来施行してきたRI-cisternography11,12)と,新しく導入されたCT(EMI-scanner)の両者により検索し,臨床症状,経過と対比しつつそれらの診断的価値について再検討したので報告する.
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