icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科5巻13号

1977年12月発行

文献概要

症例

左前頭蓋窩を占拠した後部副鼻腔Pyoceleの1治験例

著者: 長沢史朗12 佐藤慎一1 伴貞彦1 長久雅博1 犬塚楢夫1 山本豊城1 尾形誠宏1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院脳神経外科 2京大病院脳神経外科

ページ範囲:P.1349 - P.1355

文献購入ページに移動
Ⅰ.はじめに
 後部副鼻腔,すなわち後部篩骨洞および蝶形洞は外界と隔離されているためか,あるいは解剖学的構造が複雑なためか,前部副鼻腔に比較して炎症性疾患も少なく,またそこに原発する疾患も少ない.しかし,後部副鼻腔に病変が発生しても,洞そのものよりの症状は少なくかつ潜在化し,隣接諸組織に影響が及んで初めて顕在化するので,診断が困難な場合が多い.またその際,病変の進展方向が変化に富んでおり耳鼻科,眼科,脳外科の境界領域をなすために,その病態の把握にも困難な場合が少なくない.
 我々は今回,左眼球突出を主訴とし精査の結果,左眼窩,左前頭蓋窩に進展していた左後部副鼻腔pyoceleを経験した.症状が興味深く,かつ耳鼻科,眼科,脳外科の境界領域の疾患として鑑別診断上重要と思われたので,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら