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研究
脳腫瘍のIsocount scanningによる診断—Multilevel analysisによるRI-uptakeの数値的表現法
著者: 山本昌昭1 吉田滋1 門脇弘孝1 今永浩寿1 竹山英二1 神保実1 喜多村孝一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.145 - P.151
文献購入ページに移動1948年,Moore11)によりisotope encephalometryの基礎が築かれて以来,幾多の機器の開発・改良,および新核種の応用などを経て,今日は脳疾患の診断上,RIscintigraphyは重要な地位を占めるに至っている1,2).ことにdynamic studyを可能としたscinticameraの開発は,脳疾患における核医学的診断の流れを大きく変化し,最近ではscintiscanningよりむしろscinticameraが普及しつつある3,10,14).しかし,いずれの方法にしろ,表示される1枚1枚のscintigramが,より正確で信頼しうるものであることは当然要求される.この点では,我々はscinticameraはscintiscanningにはおよばないものであると考えている.static studyとしてのscintiscanningによるscintigramも,決して捨て去られるべきものではない.
この観点より,著者らはIsocount scanningおよびその新しい表示方法としてMultilevel analysisを開発し4,5,6),1973年1月以来臨床応用して良好な結果を得ている.その原理の詳細,および臨床成績の一部は既に発表しているが7,8,14,15,17,18),本稿では,脳腫瘍におけるIsocount scanningの成績を述べる.
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