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症例
脳動静脈奇形および脳動脈瘤を合併した—高血圧性脳出血の1例
著者: 山口克彦1 西坂利行1 丹治裕幸1 比嘉恒治1 古川冨士弥1 出羽和2
所属機関: 1福島県立医科大学第2外科 2福島県立医科大学第1内科
ページ範囲:P.153 - P.156
文献購入ページに移動Arteriovenous malformation(以下A.V.Mと略す)と脳動脈瘤の合併は比較的まれである.Perret & Nishioka10)の集計によると,脳動脈瘤3,265例中A.V.Mを合併しているのが37例(1.1%)で,逆にA.V.M490例中37例(7.6%)に脳動脈瘤の合併がみとめられる.片麻痺痺,意識障害をきたした我々の症例もA.V.Mおよび脳動脈瘤の合併例である.しかしその卒中発作はA.V.Mまたは脳動脈瘤の破裂ではなく,高血圧性脳出血によって起こったものと考えられ,その病態を考える際興味深く,臨床的にも問題を提起するものとして報告する.なお,本例のように同時に3つの脳血管病変が合併した症例は我々の調べた限りでは本邦文献上には見られなかった.
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