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症例
後頭蓋窩硬膜動静脈奇形—ファイコン栓塞術を用いた治験例
著者: 井沢正博1 間中信也1 名和田宏1
所属機関: 1東京都立荏原病院脳神経外科
ページ範囲:P.157 - P.162
文献購入ページに移動近年,硬膜動静脈奇形に対する関心が高まるにつれ,多数の報告がみられるようになった.種々の血管撮影による詳細な検索,手術所見および病理学的検討により,本疾患の病態が徐々に解明されつつある1-3,8,9,11,12,13,15).しかし,その治療方法に関しては症例により異なるが,様々な意見があり16,20),はっきりと確立された治療法は少ない.今回著者らは,クモ膜下出血で発症し約6カ月後の脳血管撮影で左後頭蓋窩硬膜動静脈奇形と診断し本症に対して,流動性合成樹脂であるPhicon®(ψ con)5)を用いた人工栓塞術を施行,良好な結果を得た.今回はその治療方法を中心に述べる.
なお,著者らの渉猟しえた範囲では,本症例はこの方法を施行した初報告例である.
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