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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科5巻3号

1977年03月発行

文献概要

診断セミナー

MLF症候群—本邦73例の文献的考察

著者: 中里厚1 里吉営二郎1

所属機関: 1東邦大学第4内科

ページ範囲:P.217 - P.222

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Ⅰ.はじめに
 脳幹部における内側縦束(Medical longitudinal fasciculus以下MLFと略す)の病変により,側方視に際し眼球の内転が障害されているが,輻輳が可能で,外転眼の外転側に向かう単眼性の眼振がみられるという特異な眼球運動障害は,内側縦束症候群と呼ばれている.本症候群は1902年Bielschowsky1)の初めての記載以来,1922年Lhermitte2,3)は"Ophthalmoplegia internuclearis"と呼び,その後剖検例の報告や動物実験により病巣と臨床症状の関係が更に詳細になり,1950年Bender4)ははじめて"Syndrome of the MLF"という名称で呼んだ.現在本症候群は核間麻痺,核間性眼筋麻痺,MLF症候群(内側縦束症候群)などの種々の名称で呼ばれている.
 本邦では1941年丹羽5),1948年鎌尾ら6)の報告があるが純粋な核間麻痺の報告は1960年横山ら7)が行っている.最近では長島8),柴崎ら9)の詳細な報告があるが,本稿では著者らの1例を加え,本邦において報告された73例のMLF症候群について文献的考察を加えて述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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