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症例
外頸動脈起源のMarginaltentorial arteryに栄養されるテント部髄膜腫—症例と文献的考察
著者: 垣田清人1 福間誠之1 竹友重信1 佐々木良造1 大町純一1
所属機関: 1京都第一赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.279 - P.283
文献購入ページに移動テント部髄膜腫は,頭蓋内全髄膜腫の4%,後頭蓋窩髄膜腫の11%を占めるにすぎない比較的稀な疾患である6).またテントの上下に接する後頭葉および小脳は,自覚的,他覚的に所見に乏しいためか,その経過も,数カ月から数年に及び,頭蓋内圧亢進症状のみを主訴として来院することが多い.
このテント部病変の脳血管撮影上の所見として,1956年にBernasconiとCassinari2)が報告した内頸動脈のCavernous portionより分枝するrnarginaltentorial artery,いわゆるBernasconi-Cassinari arleryの造影増強があげられる.最近われわれが経験したテント部髄膜腫では,このmarginaltentorial arteryが外頸動脈より分岐しており,選択的内頸動脈造影より,むしろ選択的外頸動脈造影の方が,診断上より有用であった.marginaltentorial arteryの外頸動脈起源の存在の可能性について,解剖学的,発生学的考察を加えて報告する.
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