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症例
思春期早発症を呈したHCG産生異所性松果体腫瘍の女児例
著者: 久保長生1 山崎直美1 上条裕朗1 天野恵市1 喜多村孝一1 出村黎子2
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2東京女子医科大学内科
ページ範囲:P.363 - P.369
文献購入ページに移動松果体部あるいは視交叉部に発生した腫瘍における思春期早発症の発現機序については,松果体説,視床下部説,腫瘍説など,いろいろの報告がみられる.とくに興味ある問題はStowell6),景山3)らが述べた腫瘍からのゴナドトロピン分泌による思春期早発症が内分泌学的諸検査,とくにradioimmunoassayの進歩によってしだいに実証されつつあることである.
1973年高倉7)と著者4)らは,いわゆるtwo ccll patternのectopic pinealomaにおいて,組織培養法を用いてゴナドトロピン分泌能を実証した,この症例はゴナドトロピン分泌腫瘍として,内分泌学的に実証した第1例目のectopic pinealomaと考える.これ以後,血中ゴナドトロピン異常高値を示す症例がしばしば報告されるようになった.
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