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研究
脳内血腫を伴った破裂動脈瘤
著者: 阿部弘1 都留美都雄1 田代邦雄1 高村春雄2
所属機関: 1北海道大学脳神経外科 2旭川赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.527 - P.535
文献購入ページに移動最近の脳動脈瘤に対する外科的治療の進歩は目ざましく手術成績も著しく向上し,手術死亡率も5-10%以下になったと報告されている.しかしながら術前に意識状態の悪いものすなわちgradeの重症なものは依然として手術死亡率が高いようで必ずしもよい成績をおさめていない.gradeの重症なものに対する手術の時期および適応については論議のあるところであるが,手術成績を向上させるためにともすると手術せずに放置される傾向もないとはいえない.
動脈瘤破裂によるくも膜下出血早期の意識障害の原因としては種々の要因があるが,そのもっとも重要なものは頭蓋内圧亢進である.それをもたらすものには急激な多量のくも膜下出血による脳腫脹,血性髄液の循環吸収障害,脳内出血,血管攣縮およびそれに伴う脳梗塞などがある.今回は破裂動脈瘤による脳内血腫例をとりあげ,手術の時期および適応,救命しえた例と死亡例との比較などについて検討した結果を報告する.
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