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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科5巻6号

1977年06月発行

文献概要

研究

激症経過をとる外側型脳内出血について

著者: 古場群巳1 横山徹夫1 金子満雄1

所属機関: 1浜松医療センター脳神経外科

ページ範囲:P.559 - P.565

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Ⅰ.はじめに
 高血圧性脳内出血の中,被殻外包部出血(外側型)に対する外科的治療の適応については現在,内科側,外科側を通じて,一応の合意に達した観がある.すなわち,昭和49年の日本脳神経外科学会総会での脳出血の外科シンポジウムで金谷・半田によって,まとめられた意見のごとく,意識障害が昏妄以下の中等症以上の群に対しては,外科治療の方が優れているという基本線である8)
 我々は,更に生命・機能予後を良くする方法として昭和48年以来,外側型出血に対して、発作後6-7時間以内の超早期手術を提唱実施してきたが7),これまでの無選択群42例において術後6カ月までの死亡率9%で,家庭復帰(杖歩行以上)約87%と良好な機能予後を得ることができた.最近の沓沢の詳細な内科的治療の報告は,これまでのものに比し生命予後・機能予後とも優れているが9),これを対照群として比較した場合,意識障害の軽い群に対しても手術群が明らかに機能予後で優れていることが注目される.今や外側型出血は早期に収容できれば,だいたいうまく治療できると我々は自負しているが,中には稀ながら,発作後数時間で大血腫を作り激症経過をとるものがある.これらは数時間目に収容しても,すでに深昏睡で除脳硬直を示すことがしばしばで,手術をする間もなく死亡するものもあり,また,手術できても重篤な機能障害を残すことが多い.この群は下記の普通の外側型出血の経過と明らかに異なる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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