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研究
中枢神経系の類表皮腫,類皮腫—興味ある症例を中心に
著者: 大橋威雄1 島村裕1 三宅幾男1 原田泰弘1 難波真平1 西本詮1
所属機関: 1岡山大学脳神経外科
ページ範囲:P.585 - P.592
文献購入ページに移動頭蓋内類上皮腫は全脳腫瘍の約1%6,8,12,16,33)であり,類皮腫はさらに稀で0.1-0.4%12,33)と報告されている.中枢神経系の全類上皮腫および類皮腫の約1/4は脊椎管内にみられ,この類皮腫には先天性皮膚洞に伴うものが高頻度に認められている24).
我々の教室では最近の10年間に頭蓋内類上皮腫4例(全脳腫瘍手術例の0.57%)と類皮腫1例(0.14%),および洋椎管内類上皮腫1例が手術されている(Table 1).これら6例のうち,嚢種内結石のみられた後頭蓋窩類上皮腫例,先天性皮膚洞に伴った脊推管内類上皮腫例および本邦ではいまだ報告されていない第4脳室内類皮腫例など興味ある症例を中心に報告し,また類上皮腫と類皮腫との病理発生の違いについても考察する.
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