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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科5巻7号

1977年06月発行

文献概要

総説

側頭葉てんかん

著者: 朝倉哲彦1

所属機関: 1鹿児島大学脳神経外科

ページ範囲:P.699 - P.706

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はじめに
 てんかんは有害刺激noxious stimuli,Noxeに対する脳の反応の特異的な様式のひとつである.有害刺激の作用している部位が脳のある領野に限局している場合には,その領野の機能解剖学的特性に基づいた症候,すなわち発作症状を呈する.有害刺激の作用する部位を明確にすることができて,さらに有害刺激の性状すなわち病理学的変化を知りうれば,その有害刺激を除去することを意図して,てんかんの外科的治療の可能性が生ずる.
 側頭葉てんかん(Temporal lobe epilepsy以下TLEと略記する)は限局性てんかんの代表的なものであり,側頭葉は有害刺激の作用しやすい部位であること,てんかん性の反応を呈しやすい領野を含んでいること,複雑な機能解剖学的特性を有していること,さらに重篤な神経脱落症状をもたらさないような切除が可能であるといった要件を満たしているので,てんかん外科の好個の治療対象となってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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