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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科5巻7号

1977年06月発行

文献概要

手術手技

Parasagittal meningiomaの上矢状洞形成術—腫瘍の全摘と上矢状洞の保存をめざして

著者: 益澤秀明1

所属機関: 1東京大学脳神経外科

ページ範囲:P.707 - P.713

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Ⅰ.はじめに
 傍矢状洞髄膜腫parasagittal meningiomaは傍上矢状静脈洞部を占拠し,上矢状静脈洞壁に附着・浸潤する髄膜腫であり(Fig.1-a),high convexity meningioma(Fig.1-b),falx meningioma(Fig.1-c)とは区別される.大部分は片側性であるが,時には両側性に発育することもある2)
 Parasagittal meningiomaの手術が問題になるのは,本腫瘍の附着部を含めた全摘出が困難で,そのため,良性腫瘍にもかかわらず術後の再発率が高いことである10,15).本腫瘍を再発の憂いなきように全摘出するためには,附着部の上矢状静脈洞壁を含めて摘除すれば良い6)のであるが,中1/3,後1/3の上矢状洞,もしくは,中心静脈流入部から後方の上矢状洞を切除することの危険性は,つとに先人の指摘したとおりである10,11,12).もちろん,上矢状洞が完全に閉塞していることをsinography17)などで確認すれば,安全に切除することも可能であるが,危険性なしとは言えない5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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