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研究
脳動脈瘤直達手術後の精神症状の評価—とくにContingent negative variationの応用
著者: 坪川孝志1 片山容一1 小谷昭夫1 西本博1 森安信雄1
所属機関: 1日本大学脳神経外科
ページ範囲:P.741 - P.748
文献購入ページに移動脳動脈瘤の破裂ないしはその直達手術後に,Korsakoff症候群1,11,12,14,16,17),akinetic mutism3),情動,性格の変化1,11,12,14,17,23)ほどの精神症状が出現することがあると報告されている,しかし,その発生頻度は報告者により著しい差があり1,4,11,12,14,17,20,23),精神症状を発現せしめる要因についても,動脈瘤の位置,破裂の状況,発作の重篤度など手術前の状態1,11),手術手技1,12,22)が挙げられ,なお明確にされていない,また観察期間や診断時期1,11,12)によっても精神症状の出現状況は異なっている.
その最も大きな理由の1つは,精神症状のとらえ方と評価法に画一性を欠き,さらには健忘,性格変化,作業能力の低下など精神機能の低下ともいうべき状態の客観的評価法が確立していないことに求められる.
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