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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科5巻8号

1977年07月発行

文献概要

手術手技

Enlarged Skull Fractureの手術

著者: 坪川孝志1

所属機関: 1日本大学脳神経外科

ページ範囲:P.805 - P.813

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Ⅰ.はじめに
 乳幼児の頭蓋骨骨折がしだいに開大し,その部に腫脹を認める病変をWashsende Schadel Fractur(Piaら195314),進行性骨折:北村ら19647)),Enlarged fracture(Steinら197217),拡大性骨折:森安ら197411))といい,乳幼児頭蓋骨折例の0.7%(Guigni 1963)5)−0.03%(Arseni 1966)1)の頻度にみられる.1816年Howship6)の最初の報告以来,適切な治療法を求めるために,骨折線が開大する機序が検討されてきた.歴史的に本症をmeningocele spuria(Billroth)2),traumatic cephalhydrocele(Conner)3),leptomeningeal cyst (Penfieldら12),Taverasら18))と命名された事実よりみても,骨折線の開大そのものよりも,骨折下に存在する脳・硬膜・軟膜の病変が本症の原因として治療の対象となってきたのである.
 本症の発生条件として,(1)乳幼児に頭蓋骨折が発生し,(2)骨折線直下の硬膜が穿破され,この部にくも膜嚢腫ないしは瘢痕化した脳脱出(Penfieldら1941,Lendeら1961,Steinら1972)が骨折線に嵌入し,(3)さらに骨折縁に限局性頭蓋内圧の拍動が作用し,骨の二次的栄養障害も加わり,骨縁の破壊が促進され,骨折部が開大していくとされてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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