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症例
Carboquone,FT-207,Radiationの3者併用療法が著効を呈した再発悪性脳腫瘍の1症例
著者: 森照明1 府川修1 佐藤智彦1 堀重昭1 和田徳男2
所属機関: 1東北大学脳疾患研究施設脳神経外科 2国立仙台病院脳神経外科
ページ範囲:P.865 - P.869
文献購入ページに移動現在癌化学療法剤はcell cycle specilic agent(CCS)とcell cycle non specific agent(CCNS)に大別体系づけられ,その投与法,量,期間,および併用療法などにcell kineticsに基づいた用い方がなされている.CCNSであるニトロソウレア系のBCNU(1.3-bis (2-chloroethyl)-1-nitrosourea),CCNU(1-(2-chloroethyl-3)-cyclohexyl-1-nitrosourea)に関しては近年数多くの報告がみられ40%前後の有.効成績をおさめてきている6,7,9,10,11,17,18,19,24,27,28,29,30,31).
今回,我々はCCNSとして新しく開発されたCarboquone4)(2.5-bis(1-aziridinyl)-3-(2-carbamoyloxy-1-methoxyethyl)-6-methyl-benzoquinone)を脳腫瘍の治療に用いた.proliferating cellおよびnon-Proliferating cellの両者により有効的な殺細胞効果を期待してCarboquoneをbaseとしたFT-207,radiationの新しい組合わせによる3者併用療法を実施し,再発悪性脳腫瘍患者で著効を呈した症例を経験した.
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