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症例
巨大脳底動脈瘤に対する椎骨動脈結紮の一経験
著者: 鎌野秀嗣1 花村哲1 天野数義1
所属機関: 1帝京大学脳神経外科
ページ範囲:P.883 - P.887
文献購入ページに移動近年,脳動脈瘤の治療は,直接手術の普及が著しく,内頸動脈結紮手術のような間接的手術を行うことは少なくなっている.ことに椎骨脳底動脈系の動脈瘤に対し,近位動脈結紮を行う手術は従来も決して多くはなされていなかった.しかし最近Drake6)が巨大椎骨脳底動脈瘤に対し,近位動脈結紮を行った21例の報告は注目に価する.後頭蓋窩の動脈瘤は巨大になるものも多く6,8,9),またことに椎骨動脈合流部附近の動脈瘤は側頭経路でも後頭下開頭でも接近不可能な部位である19).直接手術法としては,経斜台法16)が考えられるが,巨大動脈瘤に対して十分な視野をうることはむずかしいと思われる.Hammon9)は乳様突起まで達する後頭下斜接近法を提唱しているが巨大動脈瘤ことに後方へ向うものでは困難と思われる.
著者らは,巨大な椎骨動脈合流部動脈瘤の1例を経験し,椎骨動脈結紮術を行い,好い結果をえたので報告する.
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