文献詳細
文献概要
研究
脳神経外科領域におけるglucocorticoid投与法の検討(第2報)—glucocorticoid髄液内濃度に関する臨床的研究
著者: 吉本尚規1 森信太郎1 松村茂次郎1 大田正博1 沖修一1 鮄川哲二1 日比野弘道1 石川進1 魚住徹1 松本圭史2
所属機関: 1広島大学脳神経外科 2大阪大学癌研究施設腫瘍代謝部門
ページ範囲:P.941 - P.946
文献購入ページに移動脳神経外科領域において,脳浮腫の予防・治療に副腎皮質ホルモンが使用されるようになったのは1960年代初期からである.
1961年GalicichとFrench2)が脳浮腫の治療に初めてDexamethasoneを使用し,その有効性を報告,ついで1962年,RasmussenとGulati11)は下垂体腫瘍,頭蓋咽頭腫の手術症例を内分泌学的見地より詳細に分析し,その結果から,これらの脳腫瘍の死亡率はglucocorticoid使用後著しく減少し,このglucocorticoidの効果は元来のglucocorticoidの生体維持作用を代償した効果のみでなく,むしろその非特異作用,すなわち脳のcrucial partでの脳浮腫をglucocorticoidが防止,抑制する効果が主体であるものと考え,更に焦点性てんかん患者の側頭葉切除症例にglucocorticoidを投与し好成績を得たと報告している.
掲載誌情報