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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科5巻9号

1977年08月発行

文献概要

研究

Sodium Nitroprussideによるdeliberate deep hypotension—94例のテント上脳動脈瘤・脳動静脈奇形の直達根治手術への使用経験について

著者: 増沢紀男12

所属機関: 1自治医科大学脳神経外科 2Clinique-Neurochirurgicale de la Pitiéà Paris 3Service d'anesthésiologie de la Pitié 4Service de Médecine Nucléaire de la Pitié

ページ範囲:P.973 - P.978

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Ⅰ.はじめに
 手術中に動脈血圧を降下させて出血量を最少限にとどめようとする試みは脳神経外科領域においても行われてきた.髄膜腫の手術に際して無血手術を目的としたarteriotomy,血液の除去・再注入などの工夫もされた.薬物使用によるものとしてはganglioplegicsによる動脈血圧の降下を期待して,1950年Enderbyによってはじめてpentamethonium iodideが外科手術に導入され,ついで翌年にEnderbyら,Guiotらによってganglioplegicsの1つであるhexamethoniumの使用が報告されている.ganglioplegicsの範疇に入る薬物としては上に述べたhexamethonium,pentamethoniumの他に,tetraethylammonium,phenactropium,trimethaphan(Arfonad)などがある.
 脳動脈瘤手術中にWiklund29)は28例にhexamethoniumを,AndersonとMcKissock1)は9例にArfonadを試みている.最近になりganglioplegic actionのない新しい低血圧誘発剤であるsodium nitroprussideが脳動脈瘤手術に使用されてきた5,19,20,26).われわれもArfonad使用に際しての種々の不都合さの経験より,Hamby11)によってもすでに推奨されていたsodium nitroprussideを応用するようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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