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特集 STA-MCAバイパス術—日本が世界に誇る技を学ぶ
Editorial
著者: 森岡基浩1
所属機関: 1久留米大学脳神経外科
ページ範囲:P.711 - P.711
文献購入ページに移動 浅側頭動脈(STA)-中大脳動脈(MCA)バイパス術は,脳神経外科にとって基本的な手術手技の1つです.そして,それは単に脳虚血性疾患に対する治療のみならず,脳腫瘍手術や一般脳神経外科手術の不慮の事態に対する緊急処置としても必要な手技です.また,この手術手技をきちんと習得することにより脳循環に対する理解を得ることができ,さらに難易度の高いバイパス術に向かうために必要なステップにもなりますので,本来は脳神経外科手術の術者となる者全員が経験し,習得しておくべきものであると言っても過言ではありません.
しかしながら,世界的にはこの手術に対する効果が否定的となり,適応が狭められていることから術者が減少しているのが現状です.一方で日本においては,世界的なランダム化比較試験で手術成果に否定的な結果が報告されているにもかかわらず,多くの脳神経外科医がその安全性と効果を実感しています.このように,本手術の日本の成績は誇るべきものと思いながら,それを世界に発信することがまだできていないのが現状ではありますが,将来のために私たちはこの手術を守り,伝えていく必要があります.
しかしながら,世界的にはこの手術に対する効果が否定的となり,適応が狭められていることから術者が減少しているのが現状です.一方で日本においては,世界的なランダム化比較試験で手術成果に否定的な結果が報告されているにもかかわらず,多くの脳神経外科医がその安全性と効果を実感しています.このように,本手術の日本の成績は誇るべきものと思いながら,それを世界に発信することがまだできていないのが現状ではありますが,将来のために私たちはこの手術を守り,伝えていく必要があります.
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