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特集 小児脳神経外科—エキスパートはこうしている Ⅶ硬膜下血腫以外の乳幼児の頭部外傷
開頭術・ICPセンサー
著者: 荒木尚1
所属機関: 1埼玉県立小児医療センター外傷診療科
ページ範囲:P.1286 - P.1300
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・乳幼児は前頭部や後頭蓋窩に静脈性硬膜外血腫を形成することが多く,保存的治療で軽快することが多いが,血腫増大に伴う開頭血腫除去に即応できる集中治療室(PICU)のような環境で観察しなくてはならない.
・開放性陥没骨折では,髄液漏の原因となる硬膜破損を確認し修復する必要があるため,絶対手術適応である.陥没部近傍の硬膜静脈洞の位置を確認することが重要である.
・穿通性頭部外傷では,3D-CT angiography等による血管損傷の評価が必須である.
・外傷による頭蓋内圧亢進に対する集中治療において,頭蓋内圧センサーによる脳実質圧の絶対値は,生理学的モニタリングの重要なパラメータとして有用である.
・乳幼児は前頭部や後頭蓋窩に静脈性硬膜外血腫を形成することが多く,保存的治療で軽快することが多いが,血腫増大に伴う開頭血腫除去に即応できる集中治療室(PICU)のような環境で観察しなくてはならない.
・開放性陥没骨折では,髄液漏の原因となる硬膜破損を確認し修復する必要があるため,絶対手術適応である.陥没部近傍の硬膜静脈洞の位置を確認することが重要である.
・穿通性頭部外傷では,3D-CT angiography等による血管損傷の評価が必須である.
・外傷による頭蓋内圧亢進に対する集中治療において,頭蓋内圧センサーによる脳実質圧の絶対値は,生理学的モニタリングの重要なパラメータとして有用である.
参考文献
1)日本脳神経外科学会/日本脳神経外傷学会(監),頭部外傷治療・管理のガイドライン作成委員会(編):頭部外傷治療・管理のガイドライン 第4版.医学書院,東京,2019
2)Brain Trauma Foundation:Guidelines for the Surgical Management of TBI. 2006
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2)Aziz MM, et al:Depressed skull fractures overlying dural venous sinuses:management modalities and review of literature. Turk Neurosurg 29:856-863, 2019
3)Carney N, et al:Guidelines for the management of severe traumatic brain injury, fourth edition. Neurosurgery 80:6-15, 2017
4)Kochanek PM, et al:Management of pediatric severe traumatic brain injury:2019 consensus and guidelines-based algorithm for first and second tier therapies. Pediatr Crit Care Med 20:269-279, 2019
5)McFall C, et al:Contemporary management of pediatric open skull fractures:a multicenter pediatric trauma center study. J Neurosurg Pediatr 27:533-537, 2021
6)Zyck S, et al:Treatment of penetrating nonmissile traumatic brain injury. Case series and review of the literature. World Neurosurg:91:297-307, 2016
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