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連載 熱血! 論文執筆コーチング—中堅脳神経外科医が伝えたい大切なこと
第3回 印象に残る論文とは?
著者: 森下登史1
所属機関: 1福岡大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.177 - P.181
文献購入ページに移動論文の見栄えをよくするには?
前回は論文の種類についてお話ししました.今回はどうしたら見栄えのよい論文になるかということについて説明したいと思います.一般的に英文誌の質は“Impact Factor(IF)”という指標で評価され,IFの高いジャーナルに掲載してもらうには質の高い研究である必要があります.ただし,若手が質の高い研究を行うには段階を踏んでいく必要があります.連載第3回となる本稿では,「無作為対照試験をどのようにデザインするか」というような話ではなく,「持ち合わせの材料でどうやって論文の見栄えをよくできるか」ということについて説明したいと思います.
印象に残りやすい論文には目を惹くタイトルや図が用いられていることが多いです.多くの査読者は,まずタイトルを見て内容を予測します.次に抄録(Abstract)と図表を見てから本文を読みます.大切な情報は文章説明の補足目的に図や表を用いる場合が多いためです.図や表の質が低いと,文章を読むときにすでに負のバイアスがかかった状態で論文を読み進めることになります.私自身,査読者として,タイトルや図表をどのように改善すべきかをコメント内で提案することも少なくありません.今回はタイトルと図について触れたいと思います.
前回は論文の種類についてお話ししました.今回はどうしたら見栄えのよい論文になるかということについて説明したいと思います.一般的に英文誌の質は“Impact Factor(IF)”という指標で評価され,IFの高いジャーナルに掲載してもらうには質の高い研究である必要があります.ただし,若手が質の高い研究を行うには段階を踏んでいく必要があります.連載第3回となる本稿では,「無作為対照試験をどのようにデザインするか」というような話ではなく,「持ち合わせの材料でどうやって論文の見栄えをよくできるか」ということについて説明したいと思います.
印象に残りやすい論文には目を惹くタイトルや図が用いられていることが多いです.多くの査読者は,まずタイトルを見て内容を予測します.次に抄録(Abstract)と図表を見てから本文を読みます.大切な情報は文章説明の補足目的に図や表を用いる場合が多いためです.図や表の質が低いと,文章を読むときにすでに負のバイアスがかかった状態で論文を読み進めることになります.私自身,査読者として,タイトルや図表をどのように改善すべきかをコメント内で提案することも少なくありません.今回はタイトルと図について触れたいと思います.
参考文献
1)Miki K, et al:Double-crescent sign as a predictor of chronic subdural hematoma recurrence following burr-hole surgery. J Neurosurg 131:1905-1911, 2019
2)https://www.jwatch.org/na55292/2022/09/13/can-tea-lower-mortali-tea(2022年11月16日アクセス)
3)Morishita T, et al:A retrospective evaluation of thalamic targeting for tremor deep brain stimulation using high-resolution anatomical imaging with supplementary fiber tractography. J Neurol Sci 398:148-156, 2019
4)Oda K, et al:Pain relief following selective tibial neurotomy for spastic equinus foot secondary to stroke and traumatic brain injury. World Neurosurg 166:e583-e589, 2022 doi:10.1016/j.wneu.2022.07.053
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