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文献概要
特集 新時代を迎えた脳血管内治療—文献レビューで学ぶ進歩とトレンド
Editorial
著者: 宮地茂1
所属機関: 1愛知医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.191 - P.191
文献購入ページに移動 脳血管内治療が本邦に導入された当時は,適応は従来の観血的治療に比べ極めて狭く,治療成績も決して芳しいものではありませんでした.しかし40年の時を経て,以前できなかったような症例の治療が可能になり,安全性,根治性も向上してきました.現在多くの領域の外科治療において,従来の観血的治療から血管内治療へシフトしてきていますが,脳神経外科領域でも,特に脳動脈瘤と頚動脈狭窄は半数以上が血管内から治療が行われています.さらに,脳塞栓に対する血栓回収療法の需要は有効性の認知とともに勢いを増して伸びており,脳動静脈奇形や硬膜動静脈瘻の治療についても,塞栓物質の進歩や治療技術の進化により根治率が一層高まり,新しい時代を迎えています.新規デバイスや治療法が出るたびに,従来法との比較による有用性が,さまざまなランダム化比較試験(RCT),臨床治験,登録研究などによって明らかになり,積み上げられた実績データをもとにガイドラインではエビデンスレベルの高い推奨が行われ,しかもそれは最近でさえも刻々と変わりつつあります.このレビューのまとめや理解を一人でやっていては,効率も悪くまたすべてをカバーできません.
そこで本特集では,膨大な文献資料について,疾患別に,また網羅的に分担で整理し,現時点で専門医が身につけておくべき知識としてまとめました.
そこで本特集では,膨大な文献資料について,疾患別に,また網羅的に分担で整理し,現時点で専門医が身につけておくべき知識としてまとめました.
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