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解剖を中心とした脳神経手術手技
眼窩先端部へ伸展する鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する拡大眼窩内容全摘術—頭蓋内解剖と手術手技
著者: 菅原貴志1 前原健寿1
所属機関: 1東京医科歯科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1149 - P.1158
文献購入ページに移動頭頚部悪性腫瘍の治療は頭頚部外科主体の集学的治療が行われることになるが,外科的切除が必要な際には,脳神経外科,頭頚部外科,形成外科による3科合同頭蓋底手術が必要となる1).その際,頭頚部外科は顔面側,側頭下窩,鼻腔内,口腔内などの下方や側方から,脳神経外科は開頭による頭蓋内での上方,側方からの操作を担当し,形成外科は摘出腔に対する再建を担当する.本稿では,この3科合同頭蓋底手術のなかでも最も複雑な操作が必要となる手術の1つである「眼窩先端部に伸展した鼻副鼻腔悪性腫瘍に対する拡大眼窩内容全摘術」において,脳神経外科が担当する頭蓋内手術手技に関して解剖を中心に解説する.なお,硬膜内伸展している場合は脳を合併切除することで腫瘍を露出せずに摘出可能と判断した際に一塊切除を行うことがあるが,本解説では頭蓋内伸展があっても硬膜内伸展のない病変を想定して解説する.
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