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特集 脳神経圧迫症候群のすべて—診断・治療・手術のポイント Ⅴ シミュレーション・モニタリング・外視鏡・内視鏡
▼コラム 脳神経手術用材料の開発・認可への道筋
著者: 長谷川光広12
所属機関: 1東京Dタワーホスピタル 2藤田医科大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.203 - P.211
文献購入ページに移動・手術機器,医療材料の開発・改良は医療の進歩に大きく寄与し,手術の安全性,効率性,および患者の症状軽減と予後向上に貢献する.
・患者のために最も有効だと医師が判断した医療材料は,患者の理解が得られれば,医師の裁量で使用可能であるが,そこにはいくつかの問題点が残る.
・薬事承認は厚生労働省のお墨付きであるが,実際の使用までの過程は,機器開発・改良,医薬品医療機器総合機構(PMDA)との相談,医療機器製造販売承認申請書の提出と薬事承認,さらに保険適用希望書の提出,保険医療材料等専門組織の審査を経て保険収載,かつ市販後調査までの過程を経るもので,不慣れな者には煩雑でありなかなか把握しづらい.
・脳神経外科領域においても,神経減圧術に適用をもつ補綴材(prosthesis)がはじめて薬事承認,保険収載されたことは,これまで適用のある医療機器が皆無であった神経減圧術現場にとっての朗報となったが,その承認取得の過程は,汎用資材の応用であってもかなりの道のりを要した.
・医療機器の開発・承認過程を知ることは,保険診療のシステムの理解を深め,今後機器の開発に携わるであろう若き脳神経外科医に必須の知識と考える.
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