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特集 くも膜下出血のニューフロンティア—病態の再考と治療の進化
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著者: 遠藤英徳1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野
ページ範囲:P.889 - P.889
確かに,直達術や血管内治療の治療技術は数十年前と比較すると飛躍的に進化しました.しかし,「くも膜下出血の治療転帰は実は20年前と比較して改善がない」との脳神経外科医にとってはショッキングな報告もあります.これは,脳神経外科医のたゆまぬ努力によって脳動脈瘤そのものに対する治療技術は向上しているものの,くも膜下出血の病態そのものは未だに克服されていないことに起因すると考えられます.そのような状況において,2022年4月に世界に先駆けて本邦で使用可能となったクラゾセンタンの登場は,その病態を再考するためのよい足がかりと捉えることもできます.
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