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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科6巻1号

1978年01月発行

文献概要

研究

人工脳脊髄液の作製とその臨床応用—特に脳室炎,脳室内出血に対する持続脳室灌流法について

著者: 伴貞彦1 長沢史朗1 佐藤慎一1 長久雅博1 犬塚楢夫1 山本豊城1 尾形誠宏1

所属機関: 1神戸中央市民病院脳神経外科

ページ範囲:P.67 - P.75

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Ⅰ.はじめに
 近年,脳室炎,脳室内出血に対し,脳室洗浄や持続脳室灌流法が試みられ,有効な結果を得ている.しかしこれに使用されている灌流液の多くは,輸液用として調整された液であり,正常脳脊髄液(C.S.F.)とは電解質,特にpHの値に大きな差があり,大量,長期間,脳室や髄液腔内を灌流するには,危惧の念がもたれていた3,15).われわれは,その組成が正常人C.S.F.により近似し,かつpHの安定した人工C.S.F.を作製し,ネコ脳底動脈灌流及び腰椎くも膜下—大槽間持続灌流実験にて,生理食塩水(生食水)のそれと比較し明らかに優れ,かつ安全性が確認され,臨床的にも髄膜炎+脳室炎4例,脳室内出血2例の持続脳室灌流及び硬膜下水腫,くも膜嚢腫,くも膜下出血(S.A.H.),硬膜下血腫等の脳表,脳槽洗浄にも多数例に使用し,良好な結果を得たのでここに報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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