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研究
髄液中尿酸値の診断学的価値
著者: 角田茂1 外賀昭1 内海庄三郎1 松岡洋一2 久保田力2
所属機関: 1奈良県立医科大学脳神経外科 2奈良県立医科大学病態検査部
ページ範囲:P.971 - P.974
文献購入ページに移動髄液の化学的成分より,頭蓋内疾患をうかがい知ろうとする研究は,歴史的にかなり古いものである.ところが近年,アイソザイム・パターンを含めた酵素活性の測定や免疫化学的分析の導入により,著しく進歩した.
しかし現在までのところ,髄液の化学的成分共り,脳細胞における核酸代謝をみようとする試みは,最近cyclic nucleotideの測定1,8,9)が初められたものの,臨床的にはまだあまり行なわれていない.そこで,血清において日常測定されている尿酸が,核酸の構成成分であるプリン体の最終代謝産物であることに注目し,髄液中尿酸値の測定が,脳細胞における核酸のturnoverおよび脳細胞破壊の程度を示す一指標にならないであろうかと考えた.このような観点から,まず髄液中尿酸値の正常範囲設定を行ない,さらに各種神経疾患を対象として研究を進めた.
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